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2022-0508号 サーキットでのダンパーセッティングのお話

 

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2022年05月08日号
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皆さん、こんばんは!

ゴールデンウィークはいかがでしたか? のんびりできた方、大渋滞にハマった方、ずっと仕事だったよばっかやろう! という方もいらっしゃると思いますが…今のところお客様からのトラブルの連絡はなし。少し安心しているところです。連休直前に「ラジエターがぶっちゃけました!」とSOSの連絡をしてきたS木さんは、幸運にもボズにGDB用ラジエターの在庫があり…昨日ローダーで搬送されてきたかと思ったら18時には修理完了して納車。在庫品ということで少しお値引きさせていただきましたが、あまりにも一瞬で直ったので驚かれていました。まぁ、こんなこともありますね。

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◎サーキットでのダンパーセッティングのお話
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さて、今回はダンパーのセッティング、サーキット編です。まず最初にお伝えしたいのは…ストリートをメインに考えて、サーキットをセッティングの場所と考えるのか。それとも、そのサーキットでのタイムを考えてセッティングを出すのか。目標をきちんと決めておくことが大切です。
そして、ストリートをメインに考えて、安全なサーキットでセッティング…と考えるなら、まずコースを選ぶことがとても大切です。これは久田の個人的な意見として聞いていただきたいのですが…ミニサーキットでストリート用のセッティングを出そうとするのは少し無理があるかもしれません。タイトなコーナーが多く、スピードのあまり乗らないミニサーキットは大きめのコースよりも気楽に楽しめるという点では良いのですが…どうしてもオーバーめのセッティングが気持ちよくなってしまいます。タイトなコーナーをひらひらと駆け抜けるのはとても気持ちが良いでしょう。また、ミニサーキットは高低差が少ない、もしくは殆どないコースも多く(山梨など例外ももちろんあります)、上りのコーナーや、下りのコーナーが当たり前に存在する峠道や首都高速とは共通点が少ないというのも、おすすめしない理由の一つです。
勘違いしてほしくないのですが、私は峠道や首都高速を飛ばすことには絶対に賛成できません。前回のメルマガにも書きましたが、一般道はとにかく安全運転が大切です。サーキットでセッティングして、ストリートにそれを活かすというのは、あくまでも安全に、気持ちよくクルマを走らせるためだと考えてください。

話をもとに戻します。

タイトなミニサーキットで小気味よく走れるセッティングを突き詰めると…峠道の下りで何らかの理由によってブレーキを踏むことになったりすると…リアがズルっ!と流れてドキッとすることになるかもしれません。 ”アンダーは嫌だ、ニュートラルなセッティングがいいんだ!“ なんて言葉をよく見かけますが…そもそもアンダー、オーバー、ニュートラルって何? これは自動車雑誌などにはきちんと書いてあることですが…曲がりづらい状態をアンダー、テールが出やすい状態をオーバーと言うのではありません。
一定の低定円を、ゆっくりと加速しながら、ステアリングの舵角は固定で走ったときに、その円より外側にはらんでいくものをアンダーステア。内側に切れ込んで来るのをオーバーステアと呼びます。そこには、急激なアクセルワークも存在しませんし、ブレーキも使いません。例えば、低定円を走行中にアクセルをオフにしてフロントに荷重をかけ、すかさずアクセルを大きく開けてテールを振り出し、「オーバーが出た」なんてのはダメダメな表現なのです。それオーバー言わないし。

ただ、自動車雑誌、自動車関係のネット記事で、クルマに対しての表現で「アンダーが強くて気持ち良く走れない」とか、「限界域ではオーバーが出そうで怖い」などと書いてあったとしたら、クルマの挙動を表す言葉としては悪くないと考えています。正しくはないけど、わかりやすいからアリ…ですね。

さて、いよいよサーキットでの具体的なサスペンションのセッティングですが…まず、とても大切な事柄があります。それは、身もふたもない話なのですが…“セッティング云々よりまず走れや” です。正直な話、運転がある程度のレベルにないと、アンダーもオーバーもないのです。久田に申し付けていただければ、大外れではない状態にセッティングしてお渡しします。この状態で走り込んでみてください。

例外はありますが、基本的には…ストレートをきっちり加速した状態から、コーナー手前で減速、そして、その減速により車両のフロントに荷重がかかった状態でステアリングを切り込んでいきます。間違っても、一昔前の雑誌に書いてあったような“直進時にブレーキングを完了させ、アクセルを開けながらコーナリング開始” なんて非常識を覚えないようにしてください。こんなことしたらどんなクルマだって曲がんないってば…(ある意味安全)
そしてパーシャル(アクセルオンでもオフでもない状態)でクリッピングポイントを抜け、アクセルを踏み込みながらコーナー脱出です。コーナー出口でアウト側いっぱいまではらむ状態がアクセルオンの正しいタイミングです。コーナーのアウト側が余ってしまったならもっと早くアクセルを開けられますし、出口でコースアウトしてしまいそうになったり、コースアウトしてしまった(だめじゃん)なら、アクセルオンのタイミングが早すぎます。

当たり前の話ですが、クリップを抜けてから、アクセルオンのタイミングが早ければラップタイムは向上することが多いのですが…さて、ここからダンパーをいじってみましょう。リアのダンパーを硬くしていくことで、アクセルオンのタイミングを早くすることができることがあります。出口でアウト側にはらんでいくのは、アクセルを開けていくことでフロントの荷重が抜けていくことも原因の一つです。荷重が抜けて、フロントタイヤのグリップが低下してしまうのですね。そこで、リアダンパーを硬くして、荷重がリアに移るタイミングを遅らせてあげると…アウト側にはらみすぎずに立ち上がれることもあるのです。
ただし、逆の作用として、パーシャルからアクセルオンにしたときにリアが巻き込んでしまう(テールスライドの発生)という問題が起きることもあります。
ここまで読んで気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが…そう、コーナー出口で巻き込むような動きをするときは、上記とは反対にリアダンパーを柔らかくすることでそれを防げることがある…ということですね。

次に、コーナーの入口に関してですが、ブレーキをかけながらクリップを目指していくわけですが、そのときにアタマの入りが悪い。なかなか車両の向きが変わってくれない…という場合はフロントダンパーが硬すぎることがあります。逆に、コーナー入り口で、ブレーキを掛けているときに巻き込んでしまう(テールがアウト側に流れてしまう)という場合は、フロントダンパーが逆に柔らかすぎることがあります。
厄介なのは、これがセオリー通りにいかないことも多いということです。適当なこと言ってんじゃねえと思われそうですが…フロントダンパーが柔らかすぎて、曲がらないということも間違いなくあります。

なぜ、こんな事が起きるのかというと…クルマというものは、荷重のかかり方だけでハンドリングが決まるわけではない。という事が挙げられます。サスペンションが大きくストロークすることで、ジオメトリー(タイヤの取付角度他)が変化してしまい、タイヤの持てる性能が出なくなることなどもあるからです。

これは、プロのドライバーさんに乗ってもらって、サーキットでテストをしているときもですが…何らかの問題点があり、それを解消するべくダンパーの硬さをいじった場合は、必ずその逆も試してみることが大切です。例えば、コーナー入り口で巻きそうになるのでダンパーを硬くした>良くなった気がする>もう一度柔らかくしてみて同じ問題が再度出るかを確認する…と言った具合ですね。これをやらないと、原因が本当にダンパーの硬さだったのかどうかがわからないですから。

さて、ダンパーの硬さの話をさらっとしましたが…ダンパーの硬さというのは、サスのセッティングのほんの一部分です。当たり前の話として、その他の要素としてスプリングの硬さがあり、アライメントがあり、タイヤの種類と空気圧、そしてタイヤ温度があり、ホイールとタイヤの組み合わせ、ブレーキの前後バランス、LSDの有無、その仕様などもセッティングの要素です。他にも空力、ボディの重量バランス、エンジンのトルク特性や、ギア比などもハンドリングに大きな影響を及ぼします。エンジンのトルクが大きくなれば、その分リアに荷重が移りやすくなります。ハンドリングが変わるのは当たり前ですね。

この無限とも言える組み合わせの中から、自分に最良と思えるものを探していくのがセッティングという作業なのですが…気が遠くなりますね。

それを困難で難しい道だからとギブアップしてしまうのもある意味正解です。悩まずに現状で楽しくやるというのは悪くありません。しかし、どこまで行けるかわからないが、とりあえず一歩ずつでも、手探りでも先に進んでみようと考えることも素晴らしいことだと思います。そんなときに役立つのが、ショップのオヤジであったり、先輩であったり、友人であったり、プロドライバーのアドバイスです。(ショップのオヤジは怪しい場合も多いです、特に三郷地区)
冗談はさておき、そのお手伝いをするのがショップの仕事です。どうぞお気楽に何でも聞いてみてください。そのショップのオヤジから最後に一つアドバイス。

セッティングを早く煮詰めるのにいちばん大切なことは…今日クラッシュしないことです。今日クラッシュしなければ、明日、来週、来月、また走れます。無駄なお金も使わないですみます。一番の早道ですね。焦らず、安全に、じっくりと構えて理想のクルマを作っていきましょう。

それではまた次号で!


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